階段の下りで膝が痛い 変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)
階段の下りで膝が痛い!「変形性膝関節症」
「変形性膝関節症」とは?
「階段の下りで膝に痛みがはしる」「寒いと膝が痛い」「座る体勢によって膝が痛む」これらの症状がある方は、膝の関節が変形してきている可能性があります。これを「変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)」といいます。
変形性膝関節症とは、膝関節の機能が低下し、軟骨や半月板(はんげつばん)の噛み合わせが悪くなったり、変形や断裂を起こす傷病です。その原因には筋力の低下、加齢、肥満などがあげられます。女性のほうが男性にくらべて2倍多く、年齢別では70歳を超えると4倍に増えると言われています。
変形性膝関節症の多くは炎症により関節液が過剰に溜まり、歩行時や階段の上り下りでの痛み、または正座ができない・膝をしっかり伸ばせないなどの機能不全をともないます。
整形外科での変形性膝関節症の治療法
整形外科での治療は「保存療法」か「手術療法」の2つに大別されます。だいたいの方は保存療法で治療しますが、変形が著しく、立ち座りや歩行が困難で、日常生活にまで支障がある場合は、手術療法になることもあります。
保存療法はリハビリテーション、装具療法、薬物療法などで痛みを緩和させていきます。手術療法は手術で人工関節に置き換えたり、骨を削って形を変えるといった処置が施されます。
接骨院での変形性膝関節症の治療法
接骨院や整骨院ではもっぱら保存療法をおこなっています。
体重増加や加齢による筋力の低下などで、大腿四頭筋(だいたいしとうきん、太ももの筋肉)、膝窩筋(しっかきん、膝の裏側の筋肉)、前脛骨筋(ぜんけいこつきん、脛の外側の筋肉)、腓腹筋(ひふくきん、ふくらはぎの筋肉)などが硬くなってしまい、膝の関節に負担をかけ、炎症を悪化させてしまいますので、これらの筋緊張をマッサージによってやわらげます。また、免荷(めんか)包帯で膝を固定することにより、体重をかけても痛みが緩和されるようにします。
これらにより、変形じたいは治りませんが、関節の可動域が広がり、痛みを改善していくことが可能になります。軽度の方でしたら週3回の通院で、約2週間のうちに痛みは軽減されます。
膝が痛いと感じたときは、関節の変形で骨と骨が当たって痛い場合を除いて、膝関節のまわりの筋肉が硬くなっていることが要因のひとつである場合が多いのです。ですから、アキレス腱を伸ばしてふくらはぎのストレッチをするとか、湯船のなかで正座をして、浮力をつかいながら太ももの前側のストレッチをするなど、日頃から筋肉が硬くならないよう予防することが大切です。ぜひやってみてください。