ぎっくり腰、腰の痛み
前かがみの腰の痛み
前かがみになって腰に痛みや違和感を感じる
前かがみになって腰に痛みや違和感を感じたことはありませんか? 心当たりのある方は、姿勢が悪くて腰に負担がかかっているのかもしれません。
特別に自宅でできる簡単なチェック方法を教えましょう! 45度くらいの前かがみ、つまり軽いお辞儀をした姿勢になってみてください。左の横からみて背中から腰にかけてのカーブが逆Cの字だったら、あなたは“猫背”です。よい姿勢の方は腰の部分が凹になり、きれいなS字カーブを描きます。
この背中のS字カーブを正常に保つことが、腰に負担をかけない姿勢づくりに重要となります。前かがみで腰が痛くなる人の多くは、腹筋や背筋が弱っており、背中のカーブが損なわれやすくなっているのです。背筋に気をつけている人は多いようですが、本当は腹筋のほうがもっと大切です。
仕事で長時間座っている人や、車の運転が長い人、中腰の姿勢でいる機会の多い人などは、骨盤と背骨とのバランスを崩しやすい上に、腹筋の運動量もゼロですから、特に注意が必要です。長時間立ったままの姿勢から、ちょっと前かがみになった拍子に腰痛が出る、なんてこともあります。
腰が痛くて走れない! 14歳男性のKくんの場合
これは腰が痛いと来院してきた14歳男性Kくんの症例です。部活で走っていてじょじょに腰が痛みだしたとのこと。また、前屈する動作で痛みが強くなるとも言っています。
初診時に姿勢をチェックしたところ、猫背で、背骨のカーブはバランスの悪い状態。さらに左右の骨盤の高さも違うので、部活で走っていたときは、ランニングフォームもよくなかったと想像できます。しかしもっと問題だと思ったのは、後屈運動をしてもらったときに「お腹がつっぱる〜エヘヘ…」といった瞬間でした。先ほど、よい姿勢の維持には腹筋が大切だと言いましたが、実は筋力よりも柔軟性のほうが重要なのです。
改善にむけて、週に4回通院していただくことにしました。施術初日は当院の得意とする背骨と骨盤の整復(せいふく)で、背骨のカーブを正しい位置に近づけていきました。あわせて本人には、痛みがあるうちは部活でも走らないこと、自宅で腹直筋(ふくちょくきん)のストレッチをやることの2つを指導をしました。
腰の痛み、その後の経過
施術2回目では指圧治療を施し、背骨をささえるインナーマッスルを緩め、整復した背骨のカーブを維持しやすいようにしました。日常生活では姿勢をよくするよう指導をおこない、あわせて自宅でできる側腹筋のストレッチを教えました。
施術3回目には腹筋の柔軟性がだいぶ回復し、後屈運動も楽にできるようになりました。さらに前屈も少し楽になってきたとのこと。しかしこれで完全によくなったわけではないので、しっかり背骨と骨盤の整復をし、日常生活でも身体を動かすときはウォーミングアップ、運動後にはクールダウンさせるためのストレッチを忘れないよう、厳重に注意をしました。人間は痛かったことをすぐに忘れるものです。だから再発するのですが。
施術開始から3週間後、前屈時の痛みが9割まで無くなったので、Kくんは部活にフルメニューで参加しながら週に2回の通院をしてもらいました。4週目には姿勢も明らかによくなり、背が伸びたように感じたそうです。
施術開始から約2ヶ月後には姿勢がよくなったというより、全身が本物のバスケットマンに変身してしまいました。もしかして本当に身長が伸びたのでは? うらやましい! と僕も思わず嫉妬してしまったくらいです。
腰の痛みは日頃のケアが大切
前かがみで腰が辛い人は、原因のほとんどが日常生活のなかにあります。1日のなかで繰り返しおこなう動作・姿勢はありませんか? 長時間かけて同じ作業を続ける趣味や仕事を思い返してみてください。軽度のうちは、姿勢に気をつけて、体操やストレッチをすることで改善できます。
疲れている日などは面倒かもしれませんが、大切な腰をいたわってあげてください。長年、腰の痛みに悩まされていた方もこれで改善できるかもしれません。腰だけでなく、背中や腹筋、お尻、太ももの前のケアも忘れずに!