2024年10月の休診日:10月6日(日)・13日(日)・20日(日)・27日(日)が定期休診日となります。

症例ブログ《からだ研究所》

足の痛み 踵の痛み 踵骨炎(しょうこつえん)

踵がチクチク痛む「踵骨炎」

「踵骨炎」とは?

「歩くと踵(かかと)がチクチクする」「運動をしていて踵が痛い」「立ち続けていたら踵が痛くなった」「靴に何か入ってる?」「急に太った?」…こんな症状が出たら、踵に炎症が起きているのかもしれません。

運動をしているあいだや、歩いているあいだ、踵には衝撃がかかっています。このとき踵にかかる負荷は歩行時で体重の1.5倍、走行時で3.2倍にもおよびます。これらがもとで起きる踵の痛みを「踵骨炎(しょうこつえん)」と呼びます。

痛くて病院にいっても、初期の段階ではレントゲンをとっても異常が出ないので、「大丈夫です。安静にしていればよくなりますよ。これでも貼って様子をみてください」などと言われて、湿布を処方されるだけだったりします。

確かに初期の頃は休んだり運動をやめたりすれば、痛みが落ち着くことがあります。しかし多くの方は、休み休みしながら、けっきょく運動を続けます。すると、「骨棘(こつきょく)」と呼ばれる骨のトゲができてしまうことがあります。これはひとたび形成されるとなかなか消えません。

踵骨炎の原因は、踵にかかる負担にあり

踵骨炎が起きる主な要因は、アスファルトなどの硬い地面での運動、ふくらはぎの筋肉のストレッチ不足、靴が合わない、走り方・歩き方が正しくない、などです。これらが踵に負担をかけているのです。

そこで踵骨炎の改善には、テーピングや包帯をすることで踵にかかる負担を少なくし、炎症をおさえることが重要になります。そのまま放っておいてもいづれ炎症がおさまり、痛みが消えて自然に治りますが、それだと恐ろしく時間がかかってしまうのです。

踵に負担のかかりやすい競技や種目、いわゆる踏み込みやジャンプを多くする剣道やバスケなどをやっている人はなりやすいので、気をつけましょう。

ちなみに8歳から15歳くらいの子供にみられる踵の痛みには、「シーバー病」、別名「踵骨骨端炎(しょうこつこったんえん)」という「骨端症(こったんしょう)」があります。男の子になりやすく、「オスグット」などの成長痛と同じようなものです。踵にも成長痛ってあるんですよ。

剣道で踏み込みのとき、足に痛みが… 40歳代男性の場合

これは剣道をしていて踏み込んだら足が痛くなったと来院された40歳代男性の症例です。歩くときも痛く、最初は足をひねったのかと思ったとのこと。ところが実際にみてみると、足の関節には異常はなく、熱感・腫脹・圧痛・運動痛もないようです。

そこで踵を押してみると…「痛い!!」と激痛が走りました。これは明らかに踵に炎症が起きています。安静にしていればよくなりますが、本人はすぐにでも剣道は続けたいと言います。「でも痛いのは嫌だ!」とワガママな患者様。さて、どうしましょう? 手術? いいえ! こんなときこそ「スゴい包帯を巻ける男」の出番です。

包帯固定で踵にかかる負担を減らし、当院の特性温湿布で炎症をとります。これこそが、最速にして最善の治療法なのです。しかし包帯を巻いたままだと動きにくいので、剣道をするときだけははずしてもらい、そのかわりテーピングで踵がブレないよう固定しました。

こうして1週間もたつと歩行時の痛みは軽減され、気にならないくらいになりました。それでも念のため包帯固定は続けてもらうと、10日目には歩くだけなら完全に痛まなくなったので、包帯をはずしました。しかし剣道で踏み込んだときの痛みがまだあるとのことなので、テーピング固定は継続です。こうして3週間後には踏み込んだときの痛みもなくなりましたので、治療は終了となりました。

ただし、また踵に負担がかかって再発してしまわないよう、ストレッチをして予防につとめてくださいね。

体重が増えたから足が痛くなった?

この患者様は内心「最近、体重が増えてきたから痛くなったのでは…」と思っていたそうです。確かに体重が増えると踵にかかる負担は増えるので、間違ってはいません。

ちなみに「体重を減らすことで根本的に治す」ということでしたら、実は当院オススメの方法があるのです。詳しくはスタッフまで!